10月おすすめ作品3
今回のおすすめ作品は「藤田 嗣治」様です。
プロフィール
生年:1886年(1968年没)
出身地:東京都(1955年にフランスに帰化)
職業:画家・彫刻家
概要
1905年 東京美術学校(現在の東京芸術大学美術学部)西洋画科に入学する。
卒業後、展覧会などに出展するが、当時が印象派や写実主義中心だったため、落選を続ける。
1913年にパリに渡り、様々な画家と交流を深める。この頃、パリの社交界では「東洋の貴公子」と呼ばれている。
1914年に第一次世界大戦が勃発し、生活に困窮するが、大戦が終結に向かいだす1917年ごろから絵が売れ始め、個展を開くまでになる。
フランスで名声を得たのち、南北アメリカへ行き、個展を開く。
1938年には日本に戻り、その後フランスへ行くものの、第2次世界大戦が勃発したことにより、日本へ帰国し陸軍美術協会理事長として戦争画を手掛けることになる。
戦後、GHQから身を追われたこともあり、再度フランスへ。その後帰化して晩年を迎える。
この絵について
藤田様の絵画の特徴としてよく言われるのは「乳白色の肌」という言葉です。他の言葉では何とも言い表しがたいのですが、見ればなるほど、と納得のいくものです。
タイトルは「少女と鳩」。ピカソと交流もあり、戦争の真っただ中を生きてきたことを考えると、鳩は平和への思いがあるのかな、と想像してしまいます。少女のたたずまいもあって、より一層そういった印象が強くなっているのかもしれません。
実物を見ていただいた方が早いとは思いますので、ぜひご来館の際にはご鑑賞ください。